七人の侍
Seven Samurai
1954年 東宝
製作 本木荘二郎
監督 黒澤明
監督助手 堀川弘通 広沢栄 田実泰良 金子敏 清水勝弥
脚本 黒澤明 橋本忍 小国英雄
撮影 中井朝一
音楽 早坂文雄
美術 松山崇
録音 矢野口文雄
照明 森茂
配役
菊千代 三船敏郎
勘兵衛 志村喬
志乃 津島恵子
利吉の女房 島崎雪子
志乃の父 万造 藤原釜足
七郎次 加東大介
勝四郎 木村功
平八 千秋実
久蔵 宮口精二
茂助 小杉義男
与平 左卜全
五郎兵衛 稲葉義男
利吉 土屋嘉男
いまさら言うまでもない名作であり、世界でもっとも知られた映画だとも言えるだろう。
私が観たのは遅く、19歳の時だった。しかし、その後何回観ただろうか。少なくても2、30回は観ているのではないだろうか。それでも毎回一映画ファンとして見入ってしまう、とてつもないエンタテイメント映画である。
百姓が侍を雇うという発想の奇抜さ、現在にも通じる人間の葛藤、ダイナミックなアクション。野武士という不条理をきっかけにして、普通なら対立する構図になりがちな農民と
武士が同じ人間として怒り、泣き、笑う・・・
実る麦、咲く花、埃、日射し、雨・・・自然はそんな人間などとは関係なくそこにある。特に最後の戦闘シーンでの雨は、まるでその激しさで戦う人間達を溶かしてしまいそうな勢いである。
その愚かしさ故に愛すべき人間達。そんな彼等を同化しようとするかのようだ。菊千代が言う「百姓はずるい!」と。しかし人間はずるいのだ。それが生きるという
事の本質なのではないのか。生命とは必ず他の生命から何かをもらう事で自らの生命を維持しているではないか?
最近そんな事を観るとおもうようになった。
もしかしたらこの作品は、神の視点から語られた壮大な人間叙事詩なのかもしれない。