やさしいライオン(映画版)

gentle lion (movie version)

1970年 製作 虫プロダクション  配給 東宝



製作     手塚治虫
演出     やなせ・たかし
原作     やなせ・たかし
声の出演   久里千春 増山江威子

1975年 フレーベル館     作・絵  やなせ・たかし


最近テレビで放映されたので御存知の方もいらっしゃると思いますが、私は1970年に見ました。11才の時です。
始めて劇場で泣いた作品です。
みなしごライオン”ブルブル”はメス犬の”ムクムク”に育てられ、やさしいライオンに育ちました。サーカスに引き取られる事になった”ブルブル”は”ムクムク”と離ればなれに暮らすようになります。
”ブルブル”はサーカスで人気者になりましたが、一時もおかあさんの”ムクムク”の事を忘れた事はありませんでした。
ある日、檻の中でいつものようにおかあさんの子守唄を思いだしていた時、本当におかあさんの声が聞こえます。檻をやぶった”ブルブル”は一目散におかあさんの許へ走り・・・・。
最後までは書きませんが、母親と子供の愛情がストレートに描かれています。
やなせたかしの絵はシンプルですが味わいがあり、感情がストレートに伝わります。
絵本が出版されている事を知ったのは数年前の事で、見つけた時は懐かしさもあって、すぐに購入してしまいました。
凶暴な肉食獣のイメージがあるライオンもおかあさんの愛情の前ではやさしいライオンになってしまうのです。無私の愛とでもいうのでしょうか。
この作品が「愛する」という感情と「寂しさ」を意識するきっかけになっているような気がします。
愛する者の所へまっすぐに走る”ぶるぶる”の姿をを忘れる事はできません。