円谷英二 日本映画界に残した遺産

Eiji Tsuburaya Legacy left in the Japanese film industry






この「円谷英二 日本映画界に残した遺産」は何年か前に復刻されたのでご存知の方も多いとおもいますが、この本は昭和48年の初版本です。
私がこの本の存在を知ったのは出版されてから半月ほど遅れていたとおもいます。
何かの拍子に古い漫画雑誌に出ていたのを偶然見たのです。
見たとたんに欲しくなりました。
近くの本屋で聞くと既に在庫はないとのことで、当時中学1年生の私は出版社の小学館へ電話しました。「どちらかと言えば、関係者に配る為」の出版だったらしくもう在庫はないとの返事でした。しかし、その電話に出て応対してくれた方の次の一言が私には天の声に聞こえました。「円谷プロにならまだあるかもしれない」わたしは必死になって円谷プロの電話番号を聞き、教えてもらいました。
そしてすぐに円谷プロに電話しました。あこがれの円谷プロです。果たせるかな、「一冊だけ保存用にとってある」とのこと。私はどうしてもその本を手に入れたいということを説明しました。円谷プロの方は同情してくれたのか、「じゃあとっといてあげるからいらっしゃい」と言ってくれました。そして次の休みの日に当時住んでいた埼玉県の川越から世田谷の円谷プロまで行ったのです。円谷プロの方は凄く親切で、怪獣倉庫を見学させてくれました。
興奮さめやらぬ私は本を抱き、近くを歩いていると東宝撮影所があることに気づきました。さすがに中に入る事はできませんが塀伝いに歩いていくとあの大プールが。
爆発で飛んできたのでしょうか、ミニチュアの破片らしきものも落ちていたり。
今でこそ特撮関連の書籍は沢山出ていますがこの当時は本当に少なく、この「円谷英二日本映画界に残した遺産」は初めてと言ってもいいほどの円谷英二の足跡をたどる事のできる本だったのです。
34年間一度も手放さずにいつも私の本棚の中で共に生きてきた本なのです。