冨田勲「ノストラダムスの大予言」

isao tomita Prophecies of Nostradamus

1974年 製作       東宝映画






冨田勲氏といえば誰もが知っている、あるいは知らないけれど一度は耳にしたことのある作曲家だとおもう。
NHKの「きょうの料理」や「きょうの健康」「新日本紀行」、アニメでは「ジャングル大帝」「リボンの騎士」等々・・・
そして氏は映画音楽も手がけており、「飢餓海峡」(1965)「たそがれ清兵衛」(2002)等も氏の作品です。
そんな中にまさに異色作と言える「ノストラダムスの大予言」(1974)があります。
私が人生で一番最初に購入したLPレコードがこの「ノストラダムスの大予言」のサウンドトラックでした。
このレコードが映像と音楽というものをはっきり意識した最初のきっかけになっています。

残念ながら本映画はその内容に差別的な表現が含まれているとして再上映はもちろん、DVD等のメディア販売もされておらず現在国内で観る事はできない幻の作品となっています。

公開時はそれなりに興奮して観ていたのですが、数年後ひっそりと再映された時に再見した時にはその表現の陳腐さに愕然としたのを覚えています。
環境汚染の影響である能力だけが異常に進化した子どもが生まれてくるという下りでは、異常に足の速い子どもというのが登場してそれが移動車に乗って足を動かしているだけなのがもろに分かるカットや木の上によじ上って訳のわからないことを叫ぶ人等々・・・
このように映画自体はそれほど鑑賞には値しない本作ではありますが音楽だけは素晴らしかったのです。
映画はノストラダムスの予言を借りて、環境汚染や核の恐怖を描く内容でしたので冨田氏の音楽も重厚です。氏がムーグシンセサイザーを個人購入した直後ということもあって本作にもシンセサウンドがフューチャーされており生オケ主体だったそれまでの映画サウンドとは違ったスケール感が表現されたものになっています。

※氏が名作「月の光」を発表するのはこの後になります。

本作のLPレコードを手にしてからはほとんど毎日のように聞いていました。
当時所属していた地誌郷土クラブの活動として住んでいた地域の紹介映画を8ミリカメラで制作した際にはただの紹介映画にしたくなかったので様々な環境問題も盛り込み、河川の汚染状況映像のバックにはこの音楽を流したりしました。

※これには「ゴジラ対ヘドラ」も影響しているかもしれません。

先にも書いたように氏のサウンドは幼い頃から耳にしていた訳で、まさに「私を育てた〜」と言うに相応しいものなのです。
思えば「ジャングル大帝」の「星になったママ」は幼いながら一番感動した歌だったかもしれません。ソノシートで繰り返し聴いていました。しかしもちろんこの時は作曲家冨田氏の名前など意識するはずもなかったのですが。
この後「月の光」「展覧会の絵」と進み、更にその他のジャンルの音楽へと興味が派生していったのです。

三つ子の魂百までとはよく言ったもので冨田サウンドは今でも心に響きます。