Forest System

DIY Dolly,DIY Crane 自作撮影用小型クレーン 自作撮影用移動車

pangaea Forest System Version 1 : DIY Dolly & Crane from akinori shigeeda 重枝 昭典 on Vimeo.




左から「Forest Crane」「Forest Dolly A Type」「Forest Dolly B Type」



Pangaea Forest System(パンゲア フォレスト システム)は『Forest Crane』『Forest Dolly A・B Type』の総称です。Forest(森)で使用する簡易なシステムをイメージして名付けました。

Forest Crane






Forest Dolly A Type






Forest Dolly B Type






昨年(平成21年)、病気療養中だった私には時間が有余っていました。そこで思い立ったのが小型クレーンの自作です。以前、伊勢神宮の森に入る機会がありましたが、そのときは基本3人のスタッフで行動しており、レンタルなどの機材を使う余裕もなく、またあってもそれらは重さや機材量などで現実的ではありませんでした。以来、森や山などに少人数のスタッフで持ち込むことのできる当初、全てを一から自作しようと考えていたのですが、そうなると溶接や金属加工が必須となってしまいます。そんな時ネットオークションで格安のクレーンを見つけました。後で分かった事ですが、MSDという会社の物で中国製でした。これで問題解決と思っていたのですが、実際に組み立ててみるとこちらが望む重量には耐えられないことが分かりました。ですからこのクレーンの場合は自作ではなく改造と言った方がいいかもしれません。改造点は2カ所。アームを支えるワイヤー部分追加とアームの脱落防止の為の金属加工。金属加工は近所の鉄工所にお願いしてステンレスパイプ部分にボルトを通せる穴をあけてもらいました。

ワイヤーは両端にかかる重量を支える為、
パイプへの穴あけボルト追加は両端の重さでパイプが脱落するのを防止する為です。


クレーンが一段落すると、今度は同じ思想で簡易な移動車はできないものかと考え始めました。世界にはこういった撮影用の特機(特殊機械)を自作している人は多数おり、そのホームページや動画を見ながら構想を固めていきました。考慮した点は「持ち運びが容易」「設置面の養生を必要としない」でした。そして自作したのがForest Dollyです。



ワイヤーは両端にかかる重量を支える為、
パイプへの穴あけボルト追加は両端の重さでパイプが脱落するのを防止する為です。


普通移動車はキャメラとキャメラマンが乗る台車がありますが、これは通称「ハイハット」にスケーボーの車輪をつけた形になっておりレール両端と接続部分を三脚で支える構造になっています。安売りで有名なドンキホーテで見つけた一台1,500円のスケボーを2台購入し、その車輪を外して使用しています。予想外だったのはさすが安物なのか、車輪の回転が悪く、移動がぎこちなかったのですが、工業用のベアリング(一個200円程度)に交換したら嘘みたいにスムーズなりました。車輪を固定する金具は普通にホームセンターにある金属部材です。アルミ製なので加工が簡単です。穴を開けたい部分にまずポンチで凹みをつくり、後は超硬ドリルで小さな穴を開け、徐々に大きくしていき、希望する大きさにします。





ドンキ1,500円のウイール。ベアリングは交換しています。L金具はアルミ製で、ハンドドリルで加工できます。。




車輪は穴にボルトを通しているだけなので簡単に脱着でき、
写真のように逆さに装着も可能なのでローアングルでの移動もできます



レールはこれもホームセンターで売っているものです。ジョイント部分は丸い木材をちょうどいい大きさになるまでヤスリで削り、ネジ止めして脱落しないようにしています。ネジ部分は設置時真上に向けることで車輪には接触しません。



レールの受け部分です。これもパイプとセットで売られている部材です。



そのままだとパイプがきつく固定されてしまうのでカットしています。



ホームセンターで手に入る金属部材。アルミ製なので加工が容易です。



三脚に取り付ける為の穴を開けます。



スチール用三脚に枕木を固定した状態

Forest Dolly  ATypeは森や山などに少数スタッフで運用でき、持ち運びもコンパクトにできます。更に室内使用でも、テーブルの上を跨いで移動するなどの表現が可能です。

さてここまでくると欲が出てきました。レールと車輪をそのまま使用し三脚ドリーも作ってしまおうと思い立ちます。三脚用ドリーはリーベックのDLー2というもっとも安価なものを使用しました。値段から当初その強度に不安がありましたが、実際は必要十分でした。しかもこのドリーは付属の車輪の脱着が容易で助かりました。ただこのドリーは普通の石突き三脚だと非常に載せにくいので、その部分だけ改良しました。これは本体にまったく手を加えることなくできました。 2009/12 完成



枕木については特に特殊な加工もしていません。写真で見たままです。パイプとパイプ受けは矢崎化工株式会社のイレクターという商品を使用しています。以上が製作の経緯です。※完成後の使用テスト等でレールつなぎ部分での振動が大きいことが分かってきました。検討課題として素材から考え直すつもりです。 
2010/6 
以下に参考にした資料を記しておきます。。